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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第3章 ロケット村、渇望


草原に出る頃には、幽かに夕焼け色の残る空に、一番星が瞬き始めていた。
クラウドが、眺めていた地図を畳む。
「暫く歩けば村があるが…今夜はここでテントを張ろう」
ヴィンセントは頷いたが、リオは、
「あー…村って、広いのかな? 少しなら、歩かない?」
「いや、小さな村みたいだ。それに、リオだって疲れてるだろ?」
「………うん…」
クラウドが欠伸をしながらテントの準備を始めたので、リオは引き下がった。

「見張りは一人でいいだろう。交替で休もう」
クラウドの提案に、ヴィンセントが眠くないと言って始めの見張りを引き受け、クラウドとリオがテントに入った。

「クラウドってさ、」
リオが、膝まで覆っていた黒いブーツを脱ぎながら話し掛ける。現れた脚が想像以上に白くしなやかで、
「…ん、」(ばか、想像って何だよ…)
クラウドは慌てて目を逸らし、自分もショルダーガードを外しに掛かった。
「ティファと恋人なの?」
男とは思えないような艶かしい脚を惜しげも無く投げ出しながら、リオが訊ねる。
「ティファは…そんなんじゃない。幼馴染なんだ」
「ふうん。でも、ティファはそう思ってないんじゃないかな」
「……え?」
思わず見ると、今度はグレーのジャケットを肩から下ろしているところで、白く滑らかな肩と、黒いタンクトップから覗いた華奢な肩甲骨に目が釘付けになった。
(ばか、リオは男だぞ)
ぎくしゃくする首をなんとか明後日の方向へ逸らし、目をきつく瞑った。
脳裏に、先程のマテリアキーパーと戦った時のリオの"踊り"が浮かぶ。あの躰つき。聲。紅い唇。ふさふさの睫毛に縁取られた、銀色に煌く大きな睛。
(男…と思えないよな)
腰の辺りがむずむずする。
「ティファって、おっぱいおっきいよね」
「………は?!」
「おやすみー」
見ると、背中を向けたリオは、薄い毛布の上にジャケットを掛けて、もう休んでいるようだ。
「………お、おやすみ…」
クラウドはのろのろと灯りを消し、自分も背中を向けて横になると、努めてティファの豊かな胸のことを考え始めた。
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