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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第2章 二ブル山、敵か味方か


ーそしておまえに贈ろう

妖艶に両手を伸べたリオが、モンスターに酷薄に嗤う。
その手は、美しいながらも妖しく不吉な形をなぞった。

ー肉体を蝕み 魂の器に満ちる毒
ーー禁忌なる生命… バイオ!

猛毒に冒されたモンスターは、明らかに弱体化した。
対照的に三人は絶好調と言って良く、猛攻撃の末、モンスターを倒した。
「あ、マテリアだ」
風に霧散したモンスターの足元に、ピンク色の珠が転がったのをリオが拾い上げる。
「攻撃を受けると反撃するみたい」
手の中で弄びながら、リーダーの青年に話し掛ける。
「カウンターか。珍しいマテリアだな」
クラウドが頷きながらリオに近付く。
そこへ、リオのジャケットを手にしたヴィンセントが合流した。
冷えるぞ、と呟き、砂埃を払ったジャケットをリオの肩に掛ける。
ありがと、と言って、リオはヴィンセントにマテリアを渡し、ジャケットに袖を通した。
ヴィンセントは渡されたマテリアを一瞥し、
「カウンターか。"かばう"と合わせて使うといい。後列から攻撃できる者が装備すれば、受けるダメージは抑えて、効率的に反撃できるだろう」
なるほど、とクラウドも頷く。
遠距離攻撃が可能なのは、このパーティではヴィンセントとリオだ。
「そっか。じゃあ………よろしくね、護衛さん」
リオが、クラウドから受け取った"かばう"マテリアをヴィンセントの手に握らせ、ヴィンセントににっこり笑い掛ける。
その魅力的な笑顔に、一瞬、俺がやる、と口走りそうになったクラウドだが、
「………………ああ」
やけに遅れた返事に、ヴィンセントを見ると、彼は不思議な眼差しでリオを見詰めていた。

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