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ハイキュー!! クリスマスバトン!

第7章 僕だけの青いイチゴ


試着室に入った池田さんを待つ間、何気なくスマホを見て、山口からのLINEが来ていない事でやっと諦めたかとため息を漏らす。

それはそれで、明日部活の時に山口からしつこくまとわりつかれる事を思えば、ホッと出来る事ではないんだけどね。

『···どう、かな?』

カーテンを引く音がして、振り返る。

そこには、当たり前だけど僕がチョイスした服を纏う池田さんが立っていて。

「ま、悪くはないんじゃない?」

ホントは良く似合ってると思うのに、そんな感想を伝えてみる。

だって、その方が僕らしいデショ?

「ただ···この当たりが大きく開いてるから···」

スルッと指先で首元を撫でて、近くに飾ってあるスカーフに手を伸ばした、その時。

「ねぇ大地?あれって月島じゃね?」

「えっ、どこどこ?」

日頃からよく聞き慣れた声に、思わず鏡越しで姿を確認する。

チッ···

手早くスカーフを掴み取り、池田さんを押し込みながら僕も一緒に試着室へと入り込んだ。

『つ、つつつ月島君?!』

慌てて声を出す口を手のひらで押さえながら、視線だけで今は喋るな、と言葉を送った。

菅「あれ~?いま月島がいたと思ったんだけどなぁ」

澤「単なる人違いとかじゃないのか?」

旭「今日は一段と人が多いから、きっと似たような人とかだったんじゃ···」

残念ながら、僕本人ですけどね。

別にやましい事をしている訳でもないし、見られたら困る様な関係性でも、ない。

単に、いま同じ時間を二人で過ごしているっていう事を、あの3人に邪魔されたくなかっただけ。

もし見つかってしまえば、せっかくだからお茶でもど?なんて声を掛けられるに違いないだろうから。

菅「そっかなぁ?もし月島だったら、どうせ一人か山口と一緒だろうしお茶でもどう?とか誘ってみようかと思ったんだよね」

···ほら、ね?

隠れて正解だろ。

きっちり閉められたカーテンに隙間を作り、3人がいなくなるのを様子見て、早く立ち去ればいいのになんて、毒付く。

『あの、月島君···』

口を押さえた僕の手から逃れ、顔を真っ赤にして池田さんが僕を見上げる。

「あぁ、ゴメンゴメン。ちょっと面倒な人達がうろついてるからさ···それとも、僕がキミを襲うとでも思ったの?」

『えっ?!そんな事は!』
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