第5章 特別はどっち?
大きなダイニングテーブルに置かれた数々の料理。
中央には堂々と佇む大きなローストチキン。
全部、母さん達の手作りだというのだから毎年本当に驚きだ。
みんなで一斉に頂きますをして、
パクパクと口にしていく。
沢山の笑顔に囲まれながら夜は更けていく。
ご馳走様をして、もう時刻は九時近くを指していた。
「春華、そろそろ帰るから準備しときなさいよ。
雪で帰り遅くなるから、早めにね」
急いで片付けを手伝って、荷物をまとめて。
玄関の前で、ハジメにサヨナラをした。
ちょっとだけ恥ずかしくて、目は合わせれなかったのを見て、彼は私の手を引いて、
岩「メリークリスマス」
なんてらしくない事言って、プレゼントを巻いてくれた。
真っ赤なマフラー。
ありがと、って小さな言葉と同じくらい小さく手を振った。