第5章 特別はどっち?
岩「アイツ、毎年こうだよな」
春華「うん、そうだね。ちょっと休憩して、
落ち着いた頃にまた回収しに行こうか」
おう、と返事をして、ベットに座る。
ポンポン、とベットを叩くから私も大人しく
ベットに座る。
ハジメの身体にすっぽりと収まるようにして
そこに座れば
後ろから手を回される。
岩「あー、あったけぇな」
ぎゅっと後から抱きしめられる。
春華「ハジメ、これ好きだよねぇ。
私はあっつい位だよ」
岩「及川居たら、アイツ文句言うだろ。
荷物持った分の駄賃だと思え」
ハイハイ、と短く返事をして、沈黙。
岩「お前、隙ありすぎ。他の奴にも同じことしてんのか?」
春華「マッキーとか、まっつんとかって事?
それは無いよ、二人だけだよ」
岩「……及川にもさせんな」
耳元で、低く、小さく落とされたそれは本音?
後ろから首筋に顔を埋めるようにして
岩「昔、言ったの覚えてるか?
俺がお前を貰ってやるってやつ。」
確かに小さい頃、ハジメはそう言ってくれた。
岩「あれ、今でも有効だかんな、ちゃんと覚えてろよ」
首筋にキスを落として、私から離れると
小さな頃の"ハジメちゃん"の無邪気な笑顔で
顔真っ赤。と笑うのだった。
「ハジメー!春華ー!出来たから降りといでー」
岩「先、降りてるからそれまでにその顔、どうにかしてから降りてこいよ」
扉が閉まると同時に私はベッドに顔を埋めた。
春華「どうにかしとけ、なんて言うなら、
こんな顔にさせんな、バカ」
軟らかなマットレスに、その言葉は吸い込まれた。