第4章 赤鼻のサンタクロース
『やっくんがいつも着てるユニフォームをイメージしてみました!とか、言ってみたり···』
うん···そのイメージはオレにもすぐ分かったよ!
嬉しすぎて、あの白いユニフォームしか着たくねぇ!
「スゲェ嬉しいよ!今日からもう、コレしか使わないから!」
コレつけてれば、遠征とか行っても···春華が一緒にいるみたいじゃんか。
あ、そうだ···オレだけ喜んでる場合じゃない。
「実は、さ?オレも渡したい物があるんだ」
『私に?』
他に誰がいるんだよと笑いながら、オレも鞄を開けてプレゼントを取り出した。
『開けてもいい?』
「もちろん!···気に入ってくれると、いいんだけど」
クロ達にバレないように、こっそりと何軒も店を回って選んだんだ。
買う時はちょっと、いや、結構···恥ずかしかったけど。
あからさまにニヤニヤしてくる店員。
プレゼント用ですか?って、当たり前だろ!とか思いながら苦笑いしたのを思い出す。
『キレイ···ほんとに私に?』
手の中でネックレスを揺らめかせながら、春華が呟く。
「どう、かな?」
『凄く嬉しい···ありがとう、やっくん。ね、今つけてみていい?」
「じゃ、オレがつけてあげるよ」
悴む手で、そっと春華の首にそれをつける。
ほっそりとした白い肌の首元に揺れて輝くネックレスを見て、散々迷ったけど、やっぱりコレにして良かったと思う。
『なんか、これつけてたら···いつも一緒にいるみたいでホントに嬉しい···』
春華の言葉に、同じ時間に同じ事を考えるオレ達が嬉しくて、思わず抱き締めた。
『···やっくん?』
「オレもさっき、同じ事···考えた」
『そっか、良かった』
モゾっと動いて、春華がオレの背中に腕を伸ばす。
そのお陰···っていうわけじゃないけど、心も体も暖かい。
「あのさ春華···ホントはもっと一緒に居たいけど、いつも部活で···ゴメンな?」
どうしても、部活優先になってしまうオレと、それを文句も言わずに送り出してくれる、春華。
『大丈夫。私が好きになったのは、そういうやっくんだから···気にしなくていいよ』
胸の奥で、ドクン···と響いた。
オレ、春華が彼女で···幸せだ。