第4章 赤鼻のサンタクロース
マジか?!
嘘だろ?!
オレは元々送っていくつもりだったけど、そこにクロまで?
いや、クロが来るって事は研磨も···それに絶対リエーフもだろ?!
悶々としながら席に座り、黙々とうどんを食べ始める。
ー 池田ちゃん、さっきのって彼氏? ー
『えっ?あ、はい···』
聞こえてくる会話に、思わず箸が止まる。
ー やっぱり?だって一緒に帰るぞとか言ってたしなぁ ー
ちょい待てチャラ男!!
それはクロだろ?!
『あの、あの人は違います···けど』
ー は?違うの?彼氏じゃないの?···なぁんだ、じゃオレ立候補しちゃおうかなぁ?いい? ー
いいワケねぇだろ!
黒「やっくん、顔が怖いよ?」
「うるさい、今それどころじゃない···」
茶々を入れてくるクロの足をツンと蹴り、また耳だけに意識を集中させる。
リ「変なヤツって、アイツっスかね?」
黒「さぁな」
研「でも、春華が、手握られて困ってる」
「なっ?!」
研磨の言葉に、反射的に厨房を振り返った。
ー 彼氏いないなら、仕事終わったらメシとかどうよ? ー
『だから、彼氏はいるんで困ります···』
ー つれないなぁ、池田ちゃんは。ホントは彼氏いないのに、いるフリとか? ー
チャラ男···日本に銃刀法違反の法律がある事を幸せに思え···
『今は仕事中です、そういうのホント困ります。私、これ届けてきますから』
リエーフが頼んだものを皿に乗せ、春華が歩いて来る。
『はい、リエーフ君。お待たせしました』
リ「おおっ!ハルが作ったおいなりさん!」
『1個多くしといたから、内緒ね?』
小さく笑って皿を差し出すと、リエーフは目を輝かせた。
「春華、大丈夫か?」
たったそれだけ言うと、春華は少し困り顔になってそっと後ろを振り返った。
『あの人、いつもあんな感じなの。もう、慣れたけどね』
いや、慣れるなよ。
『でも、店長の方がもっと厄介だから···あんまり事務所とかで一緒に居たくない感じ』
黒「それって、セクハラじゃないのか?」
研「なんかされたとか?」
研磨!なんかって、例えばなに?!
『なんかされたとかは今のところないけど、あの二人と一緒のシフトは···ちょっとイヤかも。でも、仕事だから、さ』