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ハイキュー!! クリスマスバトン!

第3章 セカンドガール



「だからやめとけって言ったろうが。」
「そんな事言われた記憶無いけど。」
「…そうかよ。」


 笑顔が胡散臭い。絶対ろくな奴じゃない。賢太郎は先輩を見た時そう言った。けど、やめとけなんて一言も言わなかった。まあ、仮に言われてたとしても、先輩と別れるなんて選択肢は私には無かった。


「はあ…。笑っちゃうよね。なんでいつもこうなんだろ。」


 私が好きになる人にはいつも好きな人がいた。2番目でもいいなんて、都合のいい女になるつもりは無い。けど、気が付けば、いつも2番目の女になっていた。今回もまたそうだっただけ。そう思えば、少しだけ心も軽くなったような気がする。


「それ、賢太郎にあげる。」
「は?いらねーよ。」
「男物のマフラーなんか付けたくないもん。」


 少し前までは先輩がこのマフラーを付けてくれる姿を想像し、幸せな気持ちに浸っていたのに。
 乱暴に包装紙を破り、取り出したマフラーをベッドに腰掛けている賢太郎の首にかけた。


「はは…賢太郎、似合わな過ぎてウケる!」
「うっせ!」


 先輩に似合うようにと買った明るいマルチカラーストライプのマフラーは賢太郎が付けると似合わなさ過ぎて笑いと共に涙が零れた。
 伸びてきた賢太郎の手に後頭部を掴まれ、そのまま賢太郎の方へ抱き寄せられた。
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