第5章 特効薬
ピピピッピピピッ
タッタッタッタ
**「ん。」
そう言って**が手を出すので、三宅も思わず渡してしまう。
**「わぁ、こんなにあるじゃないですか!早くご飯食べて薬飲んで、あったかくして寝ないと!」
三宅「んー・・・食欲ないなぁ・・・」
**「少しでも食べないと・・・もうすぐ出来ますから!」
10分程して、**が三宅の前に小さな器を持ってきた。
**「卵がゆです・・・ベタですけど・・・。」
三宅「ありがと。」
そうほほ笑むけど、なかなか手が進まない。
見兼ねた**が三宅の隣に腰掛ける。
器を手に持つと、レンゲに少量取り、ふーふーっと息を吹きかけ、はいっと三宅の口元に差し出した。
顔は真剣で、強引だけど耳まで真っ赤で、そのギャップに三宅は思わず吹き出す。
ゆっくりレンゲのお粥をすすると、**はホッとしたように微笑んだ。
半分くらい食べ進めたところで、**は無言でおかゆを片付けた。
**「これ、解熱剤と抗生物質。胃薬も一緒に飲んでくださいね。」
薬を飲み終わって三宅がフラフラと寝室に向かうと、**がベッドを整えていた。
三宅「そろそろ寝ようかな。。」
**「あ、はい、横になって下さい。」
三宅がベッドに入るとベッドの中はいつになく温かかった。**は三宅の両脇にアイスノンを挟み、おでこに冷えピタを貼ると、これでもかってくらい布団をかけて、おやすみなさい!っと出て行った。