第8章 忘れられない
坂本「落ち着いたか・・・?」
**「はい。ごめんなさい、私あんな・・・」
坂本「いや、それは良いんだけどさ・・・。誰と何があったのかは、聞かない方がいい?」
**「・・・・」
坂本「ほら、話して楽になることもあるだろ?」
**「お願いがあります・・・。」
坂本「ん?・・・なに?」
**「私をあんまり甘やかさないで・・・。」
想定外の言葉に、返す言葉が見つからない。
**「坂本さんは、優しいから・・・いつも気付いてくれるから・・甘えちゃう・・・」
坂本「甘やかしてるつもりはないよ。でも、♪が甘やかして良いって言うなら、もっと思いっきり甘やかしてあげたい。」
坂本の優しすぎる答えに、また止まった筈の涙が溢れてくる。
坂本「俺の前では、無理するなよ・・・俺の前でくらいはさ。。」
必至に声を殺して泣いた。坂本は、涙が止まるまで、ずっと、何をする訳でもなく、ただ、そばにいてくれた。