第5章 特効薬
はぁ・・・。
取り敢えず来てはみたものの・・・。マンションの前についてから優に40分はウロウロしている。
完全不審者だよなぁ。
でも、来たし・・・行くか!!
1時間、やっと心を決めてエントランスでチャイムを鳴らす。
三宅「・・・はい・・・。」
いつもにも増して鼻にかかった声で返事が聞こえる。
**「あ、あの・・・私、で・・す。**です!*** **!あのプロジェクトでお世話になってる・・・!」
三宅「え・・・♪ちゃん?・・・なんで・・・」
**「あ、あの・・・風邪ひいたって伺って、その・・・」
三宅「うん・・・そぉ、せっかく来てくれたのにごめんね、悪いんだけど・・・」
**「あ、いや!あの・・・看病しに来ました!!」
インターホン越しに噴き出す声が聞こえる。
三宅「分かった(笑)上がってきて。」
**「は、はい!」
ホッと胸を撫でおろし、エレベーターへ向かった。
教わっていた三宅さんの部屋番号の前でチャイムを鳴らす。
ガチャ。
三宅「悪いね。どうぞ。」
マスク姿の三宅さんは力なく微笑んでドアを開けてくれた。
**「お邪魔します。あの・・なんか色々持ってきたんですけど・・・症状どんな感じですか・・・?」
三宅「うん・・・取り敢えず喉が痛くて、あと寒気するかなぁ。昨日からなんも食ってないし。」
**「じゃぁ、熱計って下さい。今何か食べ物作ります。」
三宅「うち体温計ないんだわ・・・」
**「持ってきました。」