第4章 週末
**「あの、準備するのに時間かかるから、上がって待ってて下さい。」
岡田「いいの・・・?」
**「散らかってますけど・・・。」
狭くてすみません、そう言いながらスリッパを出してくれたのでゆっくり家の中に入る。
知らない女の子の部屋は久しぶりで、ほんの少しだけ緊張した。
**「すぐ用意しますね!」
部屋を見渡すと、彼女が好きだと言っていた仕事に関するアイテムが所狭しと置かれていて、ちょっとしたショップみたいになってた。
彼女はせわしなく準備してるから、邪魔しちゃいけないと思って、座ろうと思ったんだけど、ちょっとだけ気になって”作業部屋”と書かれた札のかかった部屋を覗いた。
壁一面にケースがはめ込まれて、色んなアイテムが飾られてる。フィギュアとか、ミニチュアとか・・・。
作業部屋という割に作業スペース狭いなって少し噴き出しながら机を見たら、健くんの写真が写真立てにおさまってた。
そこから顔を上げると健くんのポスターが貼られていて、なんだ、健くんのことそんなに好きなんだって思ったら妙に苛立たしくて部屋を出た。
彼女が今せわしなく準備してるのも、健くんの為で・・・。
ぎゅっ。
**「・・・え・・・?」
岡田「あ・・・。」
自分で自分の行動に驚いた。
**「あ・・の・・・岡田・・・さん・・・?」
気付くと彼女の肩を後ろから抱きしめていた。