第3章 初めての夜。
坂本が立ち止まった部屋の前で、**も少し距離を置いて立ち止まる。
キーを差し込んだその瞬間扉がガチャっと開いた。
三宅「おっかえりー!♪ちゃん、いらっしゃい!」
ドアを開けたのは満面の笑みの三宅だった。
さっきまで坂本のことで頭がいっぱいだったのが嘘のように**は三宅の姿にくぎ付けになる。
坂本「お前うるさい(笑)みんな揃ってんだろ?」
三宅「剛が来れないって。PVの撮影長引いてるみたい。」
坂本「そっか。てかほら(笑)♪ちゃん怯えてるから
(笑)」
怯えてるんじゃない、眩しすぎて足が動かなくなっているだけ。やっぱり私が好きなのは—――。
三宅「ほらほら、入って入って!」
そう言って三宅に腕を掴まれ玄関に強引に引きずり込まれる。
かと思うと、岡田―と叫びながら部屋の奥へと行ってしまった。
玄関で立ち尽くしていると
長野「**さん、いらっしゃい。お疲れ様」
さっきまでの勢いとは違い落ち着いた優しい笑顔が向けられる。
**「お疲れ様です。」
部屋に入ると、岡田と三宅が何やら楽しそうに笑っている。
坂本はグラスにジュースを注いで**の前に置くと、いつ撮ったのか今日のオブジェの写真をみんなに見せ始めた。
それから、みんなで、どのアイテムをどの部分に置き、ここのテーマはこれで、などと2時間ほど話したら、三宅がおなかすいたーと言い出して、坂本が料理を作ってくれる事になった。
**「あの、私手伝います!!」
坂本「いいよ、♪ちゃんは一番のお客さんなんだから。座ってて」