第4章 6月『緊張』
「……とにかく、俺達があんなに
ベタベタと抱き合うようなことはしない。
多少に触れさせておけば、
特に問題はないからな。」
「例えばぁ、手を繋いだり〜、
腕組んだり〜、頭よしよししたり〜
…あとはハグ!」
「やめろ悟郎!来るなっ暑苦しい!」
悟郎が俺をハグしようとしているのを避ける。
悟郎がそれを見て頬を膨らませるが、知るか。
こういうのは一の役だろう!
「でも、一緒にいて、一時間くっついて
いなきゃいけないなんて、少し不便ね。
これじゃあ一君だけ補習できないし……」
担任が困ったようにそう言う。
………だが、考えたこと無かった。
のアレは不便なのか?
他の奴らもそう思ったらしく、考え込む。
「…そんなことないぞ。」
瞬が最初に口を開いた。
「…アレが来ても、
中身は結局の所、だ。
俺達と違って頭も良いし、
アレが来たら1時間、作詞作曲の
手伝いをしてもらえる。
俺は嫌いじゃない。」
「ゴロちゃんも、アレが来たら
に女装させてあげるのー!
いっつも1時間じゃ
間に合わないんだけどね、残念…。」
「オレ様はモチロン新しい悪戯のアイディアを
聞き出すに決まってんダロ!キシシッ」
「ん………抱き枕……最高………。」
皆も俺と同じ考えだったようだ。
デレ期を使いを
有効活用しているらしい。
俺もの事を
不便や迷惑とは思ったことは無い。
「真壁君は?」
「うーん、ツバサはあんまりハジメと
変わんないよねぇ。
あーんなにはベタベタしないけど、
やってることは同じ!」
悟郎がにこにこと笑って担任に説明する。
……確かに悟郎の言う通りだ。
俺は一と同じように、
膝に乗せて座っているだけで、
特に何もしている事は無い。
「……フン、俺はが
膝に乗ろうが乗るまいが
俺のPerfectな美貌には変わりないからな。
フフフフ…ハハハハハ…
ハーッハッハッハッハッハッハ!!!」
そう笑って見せれば
担任もおのずと笑顔になる。
「あははは……そ、そうね。」
少し笑顔が引きつっているが
それは担任が庶民からだろう。