第4章 6月『緊張』
バカサイユに入ると、
また騒がしい声が聞こえる。
………南先生、かな。
部屋に入ると、
やる気無さそうなB6と
ホワイトボードに計算式を書く南先生がいた。
「あ、君。
騒がしくてごめんね、
今日はここで補習しようと思って。」
「チッ……最悪ダゼ。なァんで俺が
こんなことやらなきゃいけねぇんダ!!」
キヨが舌打ちをして
他のメンバーも面倒くさそうな顔をしている。
既に悟郎は教科書に落書きを始め、
瑞希は爆睡中だ。
「何言ってるの!!皆中間テストの
結果散々だったじゃない……。
何よあの点数……なるべく補習で
やった所を出したつもりだったのに…
…どうしてあんなに珍回答続出なの…
…ぐすん。」
南先生は半泣きになりながら教科書をめくる。
「こうなったら復習でもいいからするのよ!
もう先に進まなくていいから、
とりあえず中間テストがある程度解けるように
する事から始めましょう!!」
南先生、今日はやけに気合が入っているらしい
……いや、気合いというか、やけくそかな。
「君を見なさい。
中等部から引き続き
テストで学年トップ&全て満点の座を
譲らないのよ。みんなも
君を目指して
頑張りましょう。」
南先生は僕を指差してそう言うが、
翼や悟郎が不満の声をあげる。
「そんなの無理に決まっている。」
「てゆーかぁ、そんなにベンキョーが
大事なのぉ?」