第4章 6月『緊張』
「あ、3時限目始まってる。」
僕が壁にかけてある翼の趣味の
悪い時計を見て言うと、
南先生は最後までギャーギャー
騒いで出て行った。
「僕も授業行ってくるよ。」
「……ケッ!真面目なこったァ!!」
まだバカサイユにいるつもりの
B6を置いて僕は教室へ向かった。
「……15分遅刻…。」
一応後ろからこっそり入ろうと思い
ClassAの教室のドアを開ける。
「オイ、遅刻だ。
どこで何してやがった。」
九影先生がギロリと僕を睨む。
周りのクラスメイトも僕の方を
振り返ってヒソヒソ話をしている。
ああ、3時限目は理科だったか。
「バカサイユでB6と雑談を少々。」
「…………はぁ。お前なぁ。
もうちっと嘘つくとかねぇのか……。
…まぁいい。座れ。」
席について、教科書とノートを出す。
「じゃあ続きすっぞ、お前ら前向けー。」
僕の方をチラチラ見ていたクラスメイトが
前を向く。
僕も指定のページを開き、
とりあえず黒板を写す事にした。