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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第12章 1月 『解け始めた氷』




「……はぁ。」



僕がソファに座ると、
永田さんは黙って僕に紅茶を淹れた。



……僕の家には家政婦はいるけど、
秘書はいない。


座ったら自動的に紅茶が出てくるなんて
ないからなんだかむず痒い。



「まだDrinkって言ってないけど?」


「…ああ、申し訳ございません。」




謝りながらも、永田さんの手は止まらない。

僕がなんと言おうと、
やめるつもりはないらしい。





「………もう。好きにして。」


「ありがとうございます。」


どうせ、永田さんも翼の事で頭がいっぱいで
落ち着かないのだろう。


文字通り、好きにさせておこう。


「……どうぞ。」


目の前に出された紅茶から、
ふわりと紅茶の香りがする。
…………いい香り。




「なんの紅茶?」


「ラベンダーティーでございます。」


1口飲むと、鼻から通る
ラベンダーの香りがする。

すごくいい香りだし………


「美味しい。すごく。」



ラベンダーのいい香りと茶葉の甘みが混ざって
とても美味しい。



………こんなに美味しいの、飲んだ事あったかな



「これ、どこの茶葉?」


「イギリスから取り寄せた最高級の品を
取り寄せました。」


「…………なるほどね。」


翼らしいな。


「……あと、このティーセット、どっかで…」



「ええ。流石さん、
ご存知でしたか。
こちらは有名ブランドの最新作を
ご用意致しました。
現在は人気のため品薄状態なのですが…
翼様からのご指示で、特別に、と。」




「…………はは、すごい。」



………流石真壁財閥、と言えばいいのかな。

改めて自分と翼の格の違いを感じて驚いた。


もう慣れたつもりだったのに………。


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