第12章 1月 『解け始めた氷』
「………翼、無意識にモデル歩きしてる。」
「「「………………………。」」」
他の生徒が普通に歩く中で、
翼はスラッとした足を見せつけるように
道のド真ん中を歩いていく。
しかも翼は胸張って堂々としているし、
きっと顔は今日1番のキメ顔だ。
その姿は…………ほんの少し、いや、
大分恥ずかしい。
「…………さん、
翼様にご教授よろしくお願い致します。」
「いやだ。翼、絶対に顔真っ赤にして怒る。
永田さんが言ってあげればいいんじゃない?」
「…いえ、これは私にも対応出来かねます。」
「…僕だって、無理。」
「「…………………。」」
「「………(見なかったことにしよう……)…」」