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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第12章 1月 『解け始めた氷』




「じゃあパウ!ボク行ってくるね。
レイの事よろしく!
怪しい人がいたら、
吠えてレイを助けてあげるんだよ。」


「パウ!」


悟郎がパウの頭を優しく撫でる。

パウが悟郎の言葉に
わかった!!と返事をしている。



…………っというか、


「……僕が預けられる方なの?」


「うん、モチロン!
レイはB6の弟分で、
パウはボクの飼い犬でしょ?
だからレイはパウの弟!」



「…………超理論すぎ。」


瑞希でもびっくりしそうなおかしい理論に
文句を言う。

大体、パウより僕の方が年上だ。




悟郎がパウから手を離して立ち上がる。

去年みたいな、甘えたで我儘の悟郎じゃない、
今の悟郎の顔は少しだけ大人になったようで。



「じゃ、そろそろ行くよ。
いってきまーす!」


「うん。…いってらっしゃい。」


「パウ!パウパウ〜!!」


悟郎はにこりと笑ってまた走っていく。

パウが、試験頑張って、と言っている。


……その気持ち、悟郎に届くといいな。




僕は振り向いて手を振る悟郎に
振り返して、ピンクの制服が
ヒラヒラと舞うのを見えなくなるまで見ていた




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