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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第12章 1月 『解け始めた氷』







「…………真田先生。」


「…ん?か。どうした?
あ、もしかして質問か?
なんでも受け付けるぜ。」




「………質問はありません。
授業は今日もいつも通りでした。」



「……あ、そう。
なんか褒められてるのか貶されてるのか…
よく分かんないな、それ。」



授業が終わった後の休み時間。
僕は、真田先生に話しかけた。


「質問じゃないなら、何の用事?」


「……えっと………あの。」



「……?」



もごもごと口を開く。
なんだか、照れくさくて、言いづらい。


「………緊張しいなの、克服した…
…かもしれません。」



「……え、?」


「…そ、それじゃ。」



なんだか恥ずかしくなって、
その場を走り去ろうとすると、
腕をがしりと掴まれた。

「!それ!!それって……」



強く掴まれたミシミシと音を立てている。


「………痛いです、先生。」


僕がそう言うが、
先生は目をぱちくりさせたまま
僕に詰め寄った。


「………ホントに、ホントにホント!!?」




こういう時の真田先生、暑苦しい。




「…………とりあえず、手を離してください。」



むすりと口をへの字にすると、
ようやく状況が掴めたらしい真田先生が
慌てて手を離した。


「あ!!ご、ごめん!」


「…………はぁ。」




……あぁ、痛かった。



掴まれた腕を撫でると
血流が再開したのがじんわりと
熱くなっていた。
これ、手の跡ついたかもしれない。


「で…あのさ、それで、それ本当なのか?」


「本当じゃなかったら言いません。」


「そっか。…そうだよな。……で、
どんな理由だったんだ?」


「……それは、」



僕が言おうとすると、
背中にどさりと重いものが乗る。



ああ、いつもの………




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