第12章 1月 『解け始めた氷』
「………あ、そうだ。。」
「…………なに?」
「今度、2年生だけ、
IQテスト…あるでしょ?」
「ああ、急に決まったっていうアレの事?
……なんか、校長の思いつきだって噂の。」
「………ん。僕が、そそのかしたから。」
「そそのかしたって………まぁいいけど。」
瑞希は悪びれることなくこくりと頷いた。
………いや、まぁいいか。
今に始まったことじゃないし。
…少しだけ…爬虫類に塗れた校長が浮かんで
すぐ消えた。
それよりも……
「……なんでそんなことを?」
「………ふふっ…内緒。」
嬉しそうに笑う瑞希は
何かを企んでいるようだけど…。
「今回のIQテスト、
わざと間違えなくていいからね。
………昔みたいに。」
「………え?あ、うん。」
瑞希がやって欲しいというなら、
僕は黙って頷くしかない。
………そういえば、今までのIQテストも、
何も考えず、加減して受けていた気がする。
瑞希の事、忘れてたのに………変な感じだ。
「………ま、いっか。」
僕がそう呟くと、
瑞希はまたにやりと笑った。