第12章 1月 『解け始めた氷』
最近草薙の喧嘩も減ってきて、
受験に向けて、補習を頑張ってると
南先生から聞いた。
それと連なるようには
ほとんど授業をサボる事無くなり
クラス会議にもちゃんと真面目に
参加するようになった。
………口下手は相変わらずで、
手を挙げて発言!…とまではいかないが、
たまに、会議が行き詰まると
助け舟を出したり、
アイデアを出してくれたりと、
担任の俺としては凄く助かっている。
クラスメイトも
をクラスの一員として
受け入れ始めている。
まだ少し壁はあるけど、
それもいずれ、消えてなくなるだろう。
もう………は大丈夫だ。きっと。
「じゃあ、また昼にな。。」
「うん。……先生も、朝礼で。」
はいつもの仏頂面で
俺の横を通り過ぎていく。
「おう。また後でな。」
それと同時に、3月が近付いている事が
ひしひしと伝わってきた。
もうすぐも3年生。
俺が担任としてに
向き合える時間は…限られている。
「……よし。」
俺はの背中を見ながら、
あと数ヶ月、と
しっかり向き合おう!と、気合を入れた。