第12章 1月 『解け始めた氷』
「………あ、!!
あけましておめでとう!あとおはよう!」
「……………ふぁあ、あ。」
校門前で見かけたに声をかけると、
眠そうに大きな欠伸をしていた。
隣では、草薙がにこっと
明るい笑顔を浮かべている。
「あ、先生。はよっす。」
それと反対側のは
半分寝ているようで、目がうつろだ。
「………ます…。」
「おい、正月は明けたぞ?」
「…はぁあ…明けてても、眠いです。
ClassAの宿題の量…おかしいです。」
は、はぁ…とため息をつく。
全校でもうちの2-Aは
全国模試の偏差値平均高くて
校長への期待が高いから、
どの先生も気合い入れて授業するし、
ついつい宿題も多めに出しちゃうんだよな。
ま、偏差値の原因は主に
なんだけどな。
いつも全国でTOP10には入ってるし。
「頑張ったんだぜ。
ハワイで清春に邪魔されながらも
頑張って宿題消化しててさ。」
「偉いじゃん、。頑張ったな。」
「……別に、出席日数足りないんで
やってるだけです。」
「……先生。が
褒めてもらえて嬉しいって。」
「嬉しくない。」
そうやって言うの口調は
不満げだけど、いつもより表情が
柔らかい気がする。
昔の、頑なに無視を徹底していた頃とは違う。
……それはきっと、ほんの少しだけ
口角が上がっているとか、
冷たい視線じゃないとか
そういう微妙な変化から生み出されるもので。
ずっと関わってきた俺かB6しか
分からないかもしれない。
「俺も嬉しいよ、。
よし!今日宿題の復習で当ててやるから
ちゃんと答えろよ?」
「…最悪。」
「ククッ…ドンマイ、。」
草薙がくしゃくしゃとの頭を撫でる。