• テキストサイズ

弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第11章 12月『聞こえなかった兄の声』




「………もう、いいでしょ。
僕、やっぱり帰る。」



最近はセンター試験近いし、
補習ばっかで、行きは一緒だけど
帰りはいつも瞬や翼と帰らせてた。



別に1人でほったからしに
してたわけじゃないけど、




しばらくとは
こうやって話す機会なかった。



ということは…………





「…………なぁ…。」






もしかして、お前……



「妬いてんのか?」



「!?」



「………先生に。」



「ちっ………ちがう。べつに、そんなんじゃ。」



「………違わない、だろ?」




慌てふためくに、
俺の予想が的中しているようだ。





「……………うぅ。」




俺がそう言うと、
は観念したように俯き、
ぼそぼそと喋り始めた。






「………だって、兄さん、
最近南先生南先生ばっかり……。」



「…補習、毎日やってるから、
兄さんと一緒に帰れないし、
バカサイユも来ないし。」



「兄さんから、南先生の匂いするし。
しかも、前より強いし。
どうせ、兄さんの家で2人でぎゅーとか、
したんでしょ。」



「…それに、聖帝祭だって、
南先生がいるからみんなで
楽しまなきゃって言って……。
南先生のために行くみたいで嫌だった。」




「…でも試験近いから
補習の邪魔しちゃダメだし、
南先生も兄さんの事ちゃんと見てくれてるし
兄さんも南先生の事信頼してるのは
分かってる……けど…。」








話しながら、恥ずかしくなったのか、
は俺の肩に顔を埋める。




「……たまには、構って欲しい…というか…。」




の表情は見えなくなり、
もうそれっきり黙ってしまった。






でもさ…………これって。


俺、すっげー幸せだよな…………。


/ 427ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp