第11章 12月『聞こえなかった兄の声』
「…私、そんなに怒らせちゃったかしら。」
南先生がぼそりと呟く。
いや、俺が思うに…………
「なんか、不機嫌の理由は、
南先生だけど、南先生じゃない気が
するんだよな………。」
「それ、どういう意味ですか?」
「いや、ハッキリは分からないけど、
なーんか、モヤモヤしてる感じというか…。
多分、先生のせいじゃないと思う。
が怒ってるのは
自身っていうか……そんな感じ。」
俺がの表情から
感じた直感を言うと、
斑目が目を丸くしていた。
「すごい…子犬。………正解……。」