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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第11章 12月『聞こえなかった兄の声』




「言っておくが、
俺はお揃いにしたつもりはないし、
色も同じだと思っていないからな。」



真壁が眉間にシワを寄せて一言割り込んだ。





草薙は黒のタキシードに
ショッキングピンクのシャツ、白のネクタイ。
草薙にぴったり似合っていて、カッコイイ。


はその反対で、
ワインレッドのタキシードに、
黒のシャツ、白の蝶ネクタイ。
はなんだかカワイイ…いや、
言うと、怒るから言わない。




「…………ふん。」


「真田先生、が
『言ってないけど、口が動いてますよ。』
だってさ。」



「…………ゲッ、」



が鋭い目で俺を睨む。
また、心を読まれたようだ。



「…まぁまぁ、。
そんな怒るなよ。な?」


「………ふん……。」


草薙がを宥めるが、
は怒ったまま黙っている。





「………はぁ。俺、
連れて外出てくる。
おいで、ほら。」



「……………。」



草薙が困ったように眉を下げて言う。
草薙に差し出された手をが握った。


「でも草薙、そろそろ始まるぞ。いいのか?」


「大丈夫だって。
外寒いし、すぐ戻ってくるから。」


草薙がふわりと笑って出る。

はその間も南先生の事を
ジッと見ていた。


「………君?どうしたの?」


「………っ、……べつに。」



南先生が声をかけると、は
慌てて目を逸らす。



………なんだ?今の。







草薙がそのまま手を引いて、
2人は外のテラスへと向かっていく。



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