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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第2章 4月『沈黙の少年』



(真田視点)


次の朝。

「よし、今日は草薙来てるかな?」

少しドキドキしながら教室に入る。
昨日は斑目のせいで追い返されちゃったけど
今日は絶対に声をかけるぞ!!

俺はなんとか話しかける為に
草薙の様子を見ながら
チャンスを待った。










「アイツ全然捕まらないじゃん……はぁ。」


思わずため息が漏れる。
昼休みはすぐバカサイユに行ってしまうし、
休憩中は廊下で誰かと電話してたり
坂下と話してたりして話しかけられなくて…


「気付いたら放課後……トホホ。」



トボトボと廊下を歩く。
手には草薙の成績表のコピーがあるのに、
その話はいつになっても切り出せない。







「、じゃあまた明日な。」

「バイバイ。」






……って、草薙!!!?
パッと前を向くと、草薙が坂下に
手を振って分かれているのが見える。

今草薙は一人だ。
今しかチャンスはない!!









「おーーい!!!草薙ー!!」


後ろから大声で草薙を呼ぶ。
草薙は一瞬びくりと肩を震わせて
俺の方へ振り向いた。
俺が走って駆け寄ると、
草薙は驚いた表情から、無表情に戻る。

「草薙。今日は授業受けてくれて
ありがとな!」

「まぁ、はい。えっと……さようなら。」


俺が嬉しくなってにこにこと話しかけると、
草薙はぺこりとお辞儀だけして
横を通り過ぎて廊下を歩いていく。



「ちょっ…勝手に行くなよ!
ったく、冷たいなぁ草薙は。」


「…長所です。
で、なんですか?何か用事でも?」


慌てて隣を歩くと、草薙は
前を向いたまま話を続ける。

あ、そうだ。あの事、聞かないと。

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