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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第10章 11月『王子様の超越』





ClassXの教室に向かう廊下に出ると、
教室まで続く人の列が見える。




「………うわぁ、凄い行列……。」


「あっという間に並んでしまったな。」


「……さっきの2倍?いや、3倍か。」



ううん…と兄さんが唸る。
人がギリギリ通れる通路しか残っておらず
僕は思わず兄さんの手を握った。



「……お店、大変そう。大丈夫かな?」


僕がそういうと、
自然と3人とも足は早くなり、
人をなんとか避けながら教室に向かった。







「………ただいまぁ。」

教室に入り、僕がボソリと呟いた。

教室はまさに大波乱で、
ウエイターやクラスのみんな総出で
てんやわんやだった。




「………チッ、やっと帰ってきたか!」


「遅せぇーっつーの!!」


そのてんやわんやで動いている中には
瞬とキヨがいた。


…………あれ、ウエイターが足りない。



「………悟郎と瑞希は?」


「知るかヨ!突然、
店は任せたとかなんとか言って、
ブチャと一緒に出ちまったんだよ!」


キヨが怒り口調で言った。

ああ、ただでさえ忙しいのに、
5人もいないんだからそれは大変だ。



「…分かった。なら、俺は注文を取る。」


「俺はキッチンでいいよな?」


兄さんと翼が準備に入っていく。
客席の女子から黄色い悲鳴が聞こえる。
………むぅ、兄さん達のファンかな。
ちょっと妬ける。


「レイ!テメェも手伝え!」


「………え、でも、僕ウエイターの服……。」


「ほら、これだ。さっさと着替えて
さっさと手伝え!」


「…分かった。」


瞬に乱暴に渡されたのは
メモで予備、と書かれたウエイターの
ベストとエプロンとリボンタイだった。




「…ズボン……履き替える時間、無さそう。」




これ……衣装のだけど、仕方ないか。

制服を脱いで先程のワイシャツ姿になり、
ベストとエプロンを着る。
リボンタイを付ければ、完成だ。



キッチンの邪魔にならないところに
荷物を置いて表へ出た。




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