第10章 11月『王子様の超越』
「…………姫……。」
がゆっくり白雪姫に近づく。
客席も、ステージも皆、息を飲んだ。
沈黙が体育館全体を包む。
「………………………。」
「…………………………。」
「……………………………。」
顔を白雪姫に近づけ、少ししてから、離れた。
………キスはしてないみたいで
少しホッとする。
「『王子が白雪姫にキスを落とすと、
なんと、白雪姫が目を覚ましたのです。』」
「『凄い!白雪姫が生き返った!!』」
「『…まぁ、私はどうしてここに……。』」
は白雪姫の手を取って跪く。
その姿は、まるで………
「『………僕と結婚してください。
共にお城で暮らしましょう。
僕だけの……プリンセス。』」
「『………はい、王子様。』」
…………本物の王子様だった。
「『こうして、白雪姫は王子様と
いつまでも幸せに過ごしました。
めでたしめでたし。』」