第2章 4月『沈黙の少年』
(真田視点)
斑目と草薙にバカサイユから追い返され、
ClassAに戻って授業を行って、放課後。
俺は職員室で去年の成績表を調べていた。
「…………確かに、後期の成績だけが
極端に下げられてる…。」
それまでは全てトップだった草薙の成績が
夏を超えたあたりからガクンと落ちている。
勿論出席率も少し悪くなっているが、
それよりも悪いのは授業態度だ。
テストは満点、出席率も少し下降のみなのに、
それでいてこの極端な下がりようは
やっぱり不自然だよなぁ……
俺は授業項目一覧の評価しか
みてなかったから、B6とつるんで
成績が落ちたんだと勝手に思ってたけど
そういうわけでもないみたいだ。
…とはいえそれまでの成績が
良かったから、ギリギリClassAに
入れた感じか。
「………斑目の言ってた事は…
間違いじゃない…ってことか…。」
それを見ていると、後ろから誰かに覗かれた。
「おや、昨年度の資料かい?」
「ぎゃあ!お、お、鳳先生!!」
振り向くと、俺にはない大人の色気を
醸し出す、鳳先生が立っていた。
「ああ、ごめんね。真田先生。
あまりにも真剣な顔で見ていたから
気になって。」
そういやあ鳳先生は
草薙…兄の方の月末テストを
担当してるんだったな…
何か知ってるかな。
「あ…いえ、草薙の事で…ちょっと。
あ、弟の方です。」
「ああ、君かい?
彼がどうかしたのかな?」
「えっと、はい。昨年度の成績で
ちょっと気になる事があって……。」