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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第10章 11月『王子様の超越』






「………でもさ、なんで問い詰められたんだ?
写真を撮られるのはまだ分かるとして。
何言われたんだよ。」



一君が不服そうに言う。

一君はその点女子の扱いが上手よね。
……外の顔は乱暴だけど、
学校の女子には比較的優しいし。



「……ああ、なんかね。
ゴロちゃんもあの劇見てたんだけど
が白雪姫役の子に
キスしたように見えてさ。
みんな、それが気になっちゃったみたい。」



「キス!?………って、ああ、そうか。
王子様だから仕方ねぇのか。」



一君がしかめっ面で頷く。
君がキスをする演技があるのが
不満らしい。



「だけど、フリだけでしょ?
確かにちゅって音はしてたけど、
がするわけないし、
そんなに問い詰める事ないよねー。」


悟郎君が呆れたように言う。

確かに、他の演目でも
ロミオとジュリエットとか、
シンデレラとか、恋愛を描いたものもある。
君だけが責められるのはおかしい。



「………………………。」



「そうよね。君だって
役でやってるだけだものね。
そうよね君?」




「……………………。」





私が君に尋ねるが、
君は黙っている。

さっきまで少しだけ喋っていたのに。



その姿に悟郎君が冷や汗を垂らした。




「……まさかと思うけど、
レイ、キス………しちゃったの?」














「……………うん。」









「………え、え、えっ!?」








「…………しちゃった。」






「「ええええええーーーーー!!?」」







悟郎君と私が思わず叫ぶ。



「…な…………ッ…!?」


翼君は開いた口が塞がらない様子で
固まっていた。



「何それ!?なんでそう
言ってくれなかったの!!!!」


「…え…あ………ごめん。」


悟郎君は君を
思い切り問い詰める。
君は肩をすくめて、謝った。


「……嘘だろ…に恋人……ッ!?
お兄ちゃんは聞いてないし
認めねぇぞっ!」



「やめろ、一!
俺はそんな話…聞きたくないッ!」


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