第10章 11月『王子様の超越』
「……あ、そうだ。」
瞬の顔を見て、ここに来た理由を思い出した。
僕、紅茶をもらいに来たんじゃなかったんだ。
「………瞬、ステージで台詞を噛まずに
言うコツってある?」
「…俺は台詞など言わんぞ。」
「………じゃあ……噛まずに歌うコツ。」
「そんなもの練習すればできる。」
「…練習しても無理な場合は?」
「………そうだな。
その曲の登場人物になりきればいい。
バラードの台詞なら恋焦がれるように
激しい曲なら叩きつけるように、とかな。」
「………わかった。ありがとう。」
「……ああ、構わないが……。
、一体何の話だ?」
「悟郎に聞いて。
僕、行かなきゃいけないから。」
翼にもらった紅茶の缶を持ち、
ClassXの教室を出た。
ええっと……最後は、バカサイユ…にいるかなぁ