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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第2章 4月『沈黙の少年』





熟睡した瑞希の手から本を取返し、
ゴロゴロしながら読み出して1時間。


「草薙さん、
さんは
どこにおるんですか?」


玄関の方で声が聞こえる。


「…………、この声、山田さん?」

起き上がろうとすると、
瑞希に腕を掴まれた。


「…………抱き枕は動いちゃ駄目。」


「でも、山田さんが呼んでる。行かないと。」


「…………………じゃあ、僕も行く。」


「なんで?」


「…犬にが
噛まれるといけないから。」


そう言い瑞希はゆっくり
目を開けて大きくて欠伸をした。

犬って……もしかして真田先生?
玄関に来てるのかな?
ここからは玄関が見えないのに、
よく分かるなぁ、瑞希は。


「さん?おらんのやろか………」


「は、はーい。今行きまーす。」


僕が立ち上がると瑞希はすかさず
僕の首に手を回す。
僕は抱きすくめられる形になり、
肩にずしりと瑞希の体重が乗った。



「………ふふ、…って、
やっぱり…暖かい。」


「……重い…。」

半分引きずるようにして玄関に向かった。







玄関に行くと
困った顔の山田さんと
真田先生が待っていた。


「ああ、さん。
先生が呼んでらっしゃいますわ。」


「…ありがとう、山田さん。」


「良かったわ〜、翼様にバカサイユには
部外者を入れるなと言われとるんですが、
翼様は今教室におられるから、智也さんも
おらんもんで困っとったんですわ。
……あ、ほな。ワタシはこれで。」


そう言って山田さんはキッチンに戻っていく。
後ろにいた真田先生がすごく頬を膨らませて
待っていた。


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