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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】
第9章 10月『王子様の憂鬱』
その輪には入れず、僕がぼんやりと
その様子を傍観していると、
上からぼそり、と声が聞こえた。
「…………、辛かったよな…ゴメンな。
俺の…せいで…。」
兄さんは唇を噛み締めて絞るように声を出した
「兄さん……。」
「……、ほんと…ゴメン…俺……。」
「兄さんは…悪くないよ。
サッカー部のみんなが…岡崎が悪いんだ。」
「………。」
兄さんの声は震えていて、
消え入りそうだった。
僕がそう言うと、
僕に回した手がより一層強まって
そのまましばらく離してくれなかった。
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