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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第9章 10月『王子様の憂鬱』






「…………えっと、あの。
こんな感じなんですけど…………。」





「………………………。」





「………僕は別に…
言わなくていいかなって……。」














「…………良い訳があるか馬鹿者!!」





真壁先輩がオレンジジュースのグラスを
乱暴にテーブルに置いた。
中身が少しだけこぼれてテーブルを汚す。








「………怒ってるんですか?」


「当たり前だろう!!」



真壁先輩が口を思い切り
への字口にして怒っている。




「……ゴロちゃんもおこだよ。
そんなの、許せないんだから!!」


むすり、と風門寺先輩も頬を膨らました。






なんだこれ、すっごいデジャブ。







「……今の話、本当なのか?」


「……うん。」


「そう…か。」


兄さんは少しショックを受けているみたいだ。

僕に回した手が少しだけ強くなった。






「……いいだろう。
この俺が手を貸してやる。」


「うんうん!ゴロちゃんもやっちゃうし、
キヨとかミズキも手伝って貰っちゃえば?」


「それはいい考えだな。
コイツの嫌がらせも止められて、
俺への悪戯も減る。一石五円だ!」



「………………。」




それを言うなら一石二鳥………。




「……確か、レイ、だったか?
お前もそれでいいな?」



「…えっと……はい。」


もうどうして彼らがそんなに怒っているのかも
手を貸すとはどういう意味なのかも
分からないが、
あまりの迫力に、僕は思わず頷いてしまった。


「なら、作戦会議でもするか。」


「はいはーい!ゴロちゃん、
全員バケツの水を被るのがいいと思う!」



僕がOKを出した事により、
目の前の3人による謎の会議が始まっている。

皆あーだこうだ言いながら
何かを企んでいるようだ。


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