第2章 4月『沈黙の少年』
「……ミズキは何って?」
僕は瑞希が何を言いたいか分かるから
いいけど、他の皆は分からない。
「…真田先生は僕が追っ払う、だってさ。」
「ふーん…ミズキはマサちゃんが
気に入らないのかなぁ、
レイが取られるかもーって思ってたりして!」
くふふっと悟郎が笑いを堪えるように
口を抑える。
「…いや俺はを
嫁にやるつもりはねぇな。」
僕を抱き締める力を強くした
兄さんが拳を作る。
「…それはの父親が言う事だ。
何故草薙が言うんだ?」
「ん?変か?
でもなぁ、が
俺の元を離れると思うと……
やっぱり、そんなの認められねぇ!!」
「ウゲーッ…出たぜ、ナギのブラコン。」
「今に始まったことじゃないがな。」
キヨは気持ち悪がり、
翼はため息をつく。
他の皆も掛ける言葉がないようで
呆れている。
「もそう思うだろ?」
「…僕は別に、今のところ結婚とか
興味ないから、それでもいいよ。」
「だよなぁー、やっぱ。」
「あーあ、レイもそうやって言うから
ハジメのブラコン具合が進むのに。」
「トゲー」
『いや、ブラコンは2人ともだよ。』
トゲーが僕らを見て呟く。
あ、やっぱり僕ブラコンなんだ。