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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】
第9章 10月『王子様の憂鬱』
『ねぇ、瑞希ってさ……。』
あの時、僕は瑞希が天才なのか聞こうとした。
でも、瑞希は一瞬だけ震え、力んだ。
瑞希の顔を見ると、何かに怯えたような目で
僕を見ていて……。
思わず、言うのをやめてしまった。
「………何に怯えてたんだろ。」
瑞希の心の隙間がほんの少しだけ
見えた気がする。
僕には知る由もないけど、
瑞希の人嫌いの原因は
きっとこれだ。
「僕も……探さなきゃ。」
僕はどうして人見知りなんだろう。
そんな漠然とした疑問の答えは
まだ出そうに無かった。
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