第9章 10月『王子様の憂鬱』
「、俺、思うんだけど。」
「…………なんですか。」
「俺、の緊張しいの原因が
何かあるハズなんじゃないかなって。」
「………………はぁ?何言って…。」
「だって、も昔は斑目みたいに
喋る事すら出来なかったんだろ?
でも、斑目は今でもあんまり喋らないけど
は喋れる。その違いって、何だ?」
「………それは、僕が
喋ろうと努力したからです。」
「だろ!?だから、も
本当は緊張しない性格だと思う。
本当に苦手だったら、
努力しても治せないだろうしさ。」
「……………………。」
「でも、は緊張してしまう。
それを否定する気はないけど……。
何か、緊張してしまう原因が
あるんじゃないか?」
「原……因…。」
………今までそんなことを考えもしなかった。
僕が人前に立つのが怖くなってしまう
原因なんて、性格の問題かと思っていたから。
「…………………。」
「………俺は、が克服できるって
本気で思ってるから。
ちょっと、考えてみてくれ。」
僕が黙っていると、
真田先生はそう言って教室を去っていく。
取り残された僕は瑞希が来るまでの
少しの間、真田先生に言われた事を
悩んでいた。