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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第8章 9月『Open Campus』






山田さんのフルコースが
デザートに差し掛かった頃、
君が思い出したように口を開いた。



「…あ。」




「お、どうした?」

一君が君ににっこりと笑う。
一君、君と動物の前では
表情筋緩みっぱなしよね…。




「……皆って、オープンキャンパスって
行った事ある?」



「おーぷん…きゃんばす……?
あ!ゴロちゃん分かった!
絵を描くんでしょ!
キャンバスをオープンするから!!」


「キャンバスじゃなくて
キャンパスよ、悟郎君。」





「んー、なんか靴のイメージあんだけど、
なんだっけ?」

「一君、それは多分コ●バースね。」





「『パス』って入ってんだシィ、
誰かに投げつけんじゃねーのォ?」


「清春君、『キャンパス』で1つの単語よ。
ちなみにパスは全く関係ないの。」


君の
『オープンキャンパス』という発言に
皆、首を傾げる。

それぞれ近いものから
想像しようとするが、的外れなものばかり。



「……というか、どんどん遠くなってるし…。」



B6の皆には補習をやるに当たって、
受験もしてもらおうと思ってるのに。

オープンキャンパスも知らないなんて。
どうやって大学選びをしていけば
いいのかしら。
……大学を選ぶ選択肢が
彼らにあるのかどうかは別として。


君は皆の意見を聞いて、
首を振った。



「……知らないなら、別にいい。」


「…待て。ちゃんと話せ。」


「そうだな。ここまで言われると
逆に気になる。」



瞬君と翼君がグレープジュースを片手に
君に視線を送る。



「……うーん。」



君は少し考えてから
口を開いた。


「…オープンキャンパスは、
一言で言うと『大学見学』…かな。」



「大学見学ゥ?」


清春君が興味無さそうに繰り返す。
手にグラスを持て余し、くるくると回している

器用なんだけど、ちょっと危なっかしい。


「うん。キャンパスっていうのは、
Campus…英語で大学って意味。
それにOpenを足す事で、
オープンキャンパスになる。
つまり、『普段関係者以外入れない
大学を開けるので皆さん見に来てください』
っていう意味。」



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