第8章 9月『Open Campus』
「………にゃるほどぉ~!
ゴロちゃん分かった!」
「フン、俺にも分かったぞ。」
「……ん。………説明上手……。」
うんうんとB6の皆が頷く。
君……まるでご意見番ね。
ううん、歩くB6の辞書かしら。
「……で、そのオープンキャンプっつーのが
に何の関係があんだ?
まだ2年生だし、大学は関係ないだろ?」
「………オープンキャンパス、の
課題が出たんだ。
ClassAは進路を早めに考えろって。」
一君のオープンキャンプという
言葉をスルーして、君は
会話を続けた。
微妙にオープンキャンパスという言葉を
強調して喋っているけど、
一君、全く気付いていないみたい。
「…ありゃりゃ、ClassAも大変だね。」
「………でも、他の奴等は決まってるみたい。
毎日のように、大学の偏差値の値と、
自分の模試を睨めっこしてるし。」
「モシ……?なんだそれは。」
「……瞬君、怖い事言わないで……。」
瞬君の疑問に頭を抱える。
皆も模試はこの間受けたじゃない。
…………見事なくらい、全員散々な点数で
返ってきた時は、頭がクラクラしたんだから。
「…僕、進路も大学も全然決まってないんだ。
大学がどういう所かすら、想像出来てない。
このままじゃ課題も出せないし……。」
君は、はぁ…とため息をつく。
B6と一緒にいると、
どうしても勉強や受験の事は
遠ざかりがち。
君にとっては、
居心地の良い場所なのかもしれないけど、
授業をサボったり、授業態度が悪かったり、
B6の悪い影響を受けていると思う。
その内、校長達が君とB6を
無理矢理引き剥がそうとしないか
少し心配なくらい。
「HA!、慌てる事は無い。
俺だって大学に行くかどうかすら
決まってないんだからな。
ハーッハッハッハ!!」
「俺も興味無いな。
音楽が出来れば、それでいい。」
「………ん。大丈夫。
まだ、一年ある……。」
「………そっか。なら、適当に書いて出すよ。」
ほら今も、君は
B6の意見に流されて
悪い方向へと走って行く。
君を止められるのは私だけ。