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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第8章 9月『Open Campus』







重くため息を吐くと、
君の眉間にシワが寄る。



「…まぁ、その……あまりに酷かったら、
呼んでくれてもいいですけど。」



「…………本当!?」


「………え、えぇ。まぁ。
僕でも、無理な時は無理ですが。」


君が横目で私を見る。

君が無理な時ってなんだろう……。





翼君は君の言う事なら
多少は聞こうとする所もあるし、
瞬君はいつも世話焼いてるし、
一君は弟バカだし、




うーん………





清春君とか…?












「もし清春君が悪い事したらどうなるの?」


「キヨ…ですか?」



私の発言に、君は首を傾げる。





「……キヨって、悪い事しますか?
僕は、B6の中でキヨが1番いい人だと
思っているのですが。」




「………な…っ、
そんなわけないじゃない!
今日だって、生徒達を
スライム塗れにしていたわよ!!」




「…まぁ、それは。
その、ご愁傷様です。」




「午前の授業から廊下にスライムを
撒き散らされて、
生徒も先生もヌルヌルだったんだから!!
特に2年A組の生徒は、移動教室だったから
全員ハマってそのまま授業を………。」


そこまで言って、言葉が止まる。
そういえば、君って
2年A組だったわよね?どうして
今日の事をしらないのかしら。




「………そういえば、
君はならなかったの?」




みんな制服がスライムだらけになって
大変だったからジャージに
着替えたって聞いたのに、
君は、制服のままだ。




「はい。」



「………どうして?」



「………………………。」



授業をサボったとか、
バカサイユで寝過ごしたとか、
そういう事なのかしら?

君は少しだけ黙ってから、
口を開いた。


「……キヨなりに僕の事、
心配してくれてるからだと思います。」



「………………え?」



「………キヨって、優しいですよね。」





君の言っている意味が分からず、
聞き返してみるものの、
君は遠くを見てぼんやり呟くだけで
その言葉の本当の意味は
最後まで分からなかった。





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