第8章 9月『Open Campus』
僕が名前を呼ぶと、
クラスの女子が気付いたらしく
きゃあきゃあと声を上げて
こちらを凝視している。
…見るか叫ぶか、どっちかにしてよ。
「あ!斑目!!お前、いつから!」
「子犬………しっしっ。」
僕の体をすっぽりと包んだ瑞希は
真田先生をぼんやりと見据えた。
………前から思ってたけど、
この二人、仲悪いのかな。
確か、瑞希の月末テストの担当の先生って
真田先生だったはずだ。
授業は受け持ってないにしても
よく顔を合わせているはずなのに、
なんでこんなに仲が悪いのかな。
「……行こう。」
「…え?……あぁ………うん。」
「…お、おい!
まだ話は終わってないぞ!」
瑞希はそのまま離してくれそうにない。
真田先生がとなりでキーキーと煩かったけど、
僕はそのまま、カバンを持って教室を出た。