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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第2章 4月『沈黙の少年』




(翼視点)




「………ん、」

朝、部屋の明かりが付き、目が覚めた。


「ふわぁ………あ、…あぁ…」

起き上がるといつもの風景と違った。

…ああ、そうか。昨日、
と旅館に泊まったのだった。


「………ん……ぅ」

隣を見ると、その澪が寝息を立てて寝ている。

「、Wake Up!朝だぞ。」

ゆさゆさと体を揺らすが、うう、と
唸るだけで目は開けない。

「………いや、だ……やめて!…」

それどころか、俺の手をパチンと払った。


「……なっ!?」

それを見て思わず手を引っ込める。

相手は寝ぼけているだけなのに
なんだか拒否されたような気分だ。

触れられないなら見るしかない。

ゆっくりと顔をのぞき込む。


「……ん……うぅっ…やめ……てっ」

はうなされているようだった。
眉間にシワがより、誰かを叩くように
手を動かす。

「うなされているのならば、
なおさら起こさぬわけにはいかんな。」

手を叩かれる覚悟を決め、
の肩に触れる。


「、起きろ。!」


「いや、だ……いや…だ!」


の額に汗が滲む。それにも構わず、
を起こした。


「…!
朝だと言っているだろう!!」







「やめて!!…なんで……みんな…
ぼくに…いやがらせ…するの…っ!」







「………ッ、」





その声にふと掛ける言葉を失う。




は2年A組だから、
今、のクラスで
何が起こってるか、俺は知らない。



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