第7章 8月『Side story with B6』
「…………ってことは、
これアイス1つでいくらだ?
5万?………いや、7万か!!?」
瞬がアイスを持って震えている。
ひと月の生活費が俺の手に…とかなんとか。
「あ、これポペラ美味しい!!」
悟郎もアイスを食べて驚いている。
唇に金箔付いてるよ悟郎。
「クククク………ハハハハハ………
ハーッハッハッハッハ!
この俺にかかれば、この高級Icecreamを
作ることなど当然だ!」
「……はぁ。」
翼がベッドに座って高笑いをする。
良かった。誤解が解けて。
ふと見ると、影で永田さんが笑っている。
……また永田さん?
さっき翼が呼んだ時、出てきて説明すれば
それで済んだ話じゃん。
………まさか、わざと出てこなかったの?
「……もう助けてあげませんよ、僕。」
そう小声で言うと、
『……そんな事、仰らずに。
これからも翼様を宜しくお願いします。』
と返される。
………僕は翼の人型辞書じゃないんだけど。
頬を膨らませるものの、永田さんは
にやりと笑って裏に入っていく。
仕方なくまた兄さんの膝に座ると、
兄さんが僕の口元にアイスを運んできた。
「……、ほら。あーん。」
「あむ……。」
「どうだ?」
「…………美味しい。」
何がともあれ、アイスに罪はない。
僕は兄さんと一緒に
アイスを食べあっこして
夜を楽しんだ。