第7章 8月『Side story with B6』
「なら、北がどっちか分かりますか?」
「それは……あっちよ、勿論。」
「………そっちは東です。先生。」
「……………………。」
そう思い、簡単な質問をしてみるものの、
南先生は見事に間違えた。
やっぱり南先生は方向音痴だ。
「……ハーッハッハ!
担任もには適わないようだな!」
「センセ……その、ドンマイ!」
「……うぅ……参りました…。
…大人しく車で帰ります。」
南先生はため息をついて、車に乗り込む。
「でも…今日は楽しかったわ、ありがとう。」
そう言う南先生の笑顔は
夕焼けに混じって眩しかった。