第7章 8月『Side story with B6』
(南視点)
「…………こ、ここは……っ」
眩しい日差しに目が覚めて、
むくりと起き上がる。
周りは、私の知らない場所だった。
目の前には物凄く大きいプールが
広がっていて、
私はそこの椅子に座らされていた。
こんなとこ、来たことないし、
見たことも無い。
ここは一体何処……?
「………やっと起きたか、担任。」
「センセ、すっごい寝てたね!」
悟郎君と翼君が呆れ顔で
座っている私を見下ろす。
「……………え?
私……寝てたの?」
そ、そういえば、
清春君が突然家に来て、
スプレーみたいなのをかけられたような……。
「ケケッ!真壁財閥特製
催眠スプレーの効果は
サイコーだったゼ!!」
「…まさか、私、
嵌められた!?」
思わず立ち上がろうとするが、
まだ頭がクラクラして椅子に座り込む。
顔をあげると、
皆の顔よりも先に服装に目が行く。
B6はいつもの制服とは違う、
上半身裸で、水着だった。
「…………な、な、なっ…
……水着!!?」
「今更気付いたのか?」
瞬君が呆れたように私を見る。
ただの紺の海パンなのに、
瞬君が履いていると、オシャレに見える!!
「あ!ねぇ、ゴロちゃんはどう?
かっわいいでしょ!!」
悟郎君は水着を見せるように
一回転してみせる。
女子顔負けの女装は物凄く可愛い。
………狡いくらいに似合ってる!!
「うぅ……め、目眩が……。」
他の皆もカッコよすぎて直視できない。
クラクラして頭を抑えると
翼君が腕を組んで私を見下ろした。
「…とにかく、担任を陥れた覚えは無いが、
が連れて来たらどうだと
言ったから連れて来てやっただけだ。
にカンシャするんだな。」
翼君が言い終わると、
一君の後ろから誰かがひょこりと顔を出す。
「…………先生、夏休みなのに補習で
大変そうだし、
たまには気晴らしとか…
……どうかなって。」
ぼそぼそと喋る女の子は
ペンギンのパーカーを着ている。
前髪が三つ編みしてあって、すごく可愛い。