第7章 8月『Side story with B6』
「ねぇ、翼。海のプールって……
どういうことなの?」
「…………この前時間があったから、
補習に行ってやった。そうしたら、担任が、
青い空、青い海とぼやいていた。
……それで思いついた。」
「へえ………。」
たしか南先生、B6が赤点続出だったから
全員夏休みも補習決定だったんだっけ。
……南先生も、夏休み無いんだろうな………
「じゃあ、海を作ったって
どういう意味?」
「ん?ハワイの海を日本に作っただけだ。
ハワイから海水と砂を運んできて
室内の気温湿度すべて
ハワイと同じにしてある。」
「………相変わらずのスケール……。」
ハワイの海水と砂を運ぶなんて
やっぱり翼の思いつくことは
人を超えてると思う。
……ある意味尊敬する。
「でも……南先生の意見を元にしたのに、
南先生は連れていかないんだ。」
僕がぼそりと呟くと、
翼がフム、と顎に手を当てる。
「………モーテンだったな。
担任も呼んでやるか。」
「…んー、でも、どうやって?
普通にセンセを呼んだら、
ホシューになっちゃうよ?」
「それは困る。今日はわざわざバイトを
休んでリフレッシュしに来てるんだ。
なぜバイトを休んでストレスを
ためねばならん!!」
「………補習をしずに、連れてくる方法……か。
、なんかねぇか?」
兄さんが腕を組んで考えながら呟く。
「……うーん……眠らせて
強制的に連れてくる…とか?」
僕が呟くと、キヨがニヤリと笑う。
「キシシシッそれミャーアンじゃねェーのォ?
オレ様がやってやるゼェ!!」
………妙案。
心の中で突っ込みながら、
南先生、巻き込んでごめんねと謝った。