第6章 8月『和解?』
(真田視点)
まさか、二階堂先輩に誘われた寄席で
に会えるとは思わなかった。
さっき一緒にいた男は誰だろう。
聖帝の生徒じゃないよな………。
いや、そんな事より、今は………っ
「………この前は、悪かった。
勝手に……小屋に入って。
邪魔、だったよな。本当にごめん。」
と話さなきゃいけない気がした。
登校日も休んでたから会えなかった。
……顔を見るのは1ヶ月ぶりくらいだろうか。
「…………別に。もう気にしてません。」
が俺から目線を外す。
この前みたいに怒ってるわけでは
なさそうで安心した。
胸をなで下ろすと、
が目を
離したまま口を開いた。
「……………先生。」
「………な、なんだ?」
「……家政婦から、僕の事を色々聞いたって
聞きました。」
「………あ、あぁ………去年の事をちょっと…。」
「…………余計な事を。」
は呆れ顔で呟いた。
「………おしゃべりなんですよ、あの人。」
坂下もの事は
『人嫌いの秘密主義者』って
言うくらいだし、自分の嫌な思い出
掘られて嫌だったのかな……。
でも、聞いてしまったものは
忘れられそうに無い。
それが自分の生徒だとしたら尚更だ。
「………先生の目的は何ですか。」
が俺の方を向く。
大きな蒼い瞳が俺を突き刺した。
「勝手に人の過去漁って…
何がしたいんですか。」
の拳に力が籠った。
眉間のシワも寄った。
一発触発のに
俺は優しく笑った。
そんなの、決まってるだろ。