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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第6章 8月『和解?』






「ありがとうございました。
本当に、奢ってもらっちゃって。」

「気にすんなよ。
君には世話になってるから。」


コンビニから出て、裕次さんと歩く。
僕は最近流行りのスムージーを買ってみた。
野菜がたっぷり入ってるらしい。楽しみだ。
瞬はどうせ節約するために
スーパーの安売りしてた弁当だろう。
もう、スタジオで食べ始めてるかな。



「そういえばこの前シュンがな……」

裕次さんは瞬の話を交えた雑談を始めた。


「………ってことがあってさ。おかしいだろ?」


「………ふふっ、ほんとですね。」


「で、その後さ………」


裕次さんの話を聞きながら、
コンビニの帰り道を歩く。
スタジオの前の道路に出た。
この道を真っ直ぐ歩けば、スタジオだ。


スタジオの前は人通りが多い。
近くに商店街や野外ステージがあるからかな。

そういえば、近くに落語の寄席もあるんだっけ


「それでさぁ…………」






「…………………?」




「…………え、」


前から来る人物に、裕次さんから目を離す。
顔を上げると、真田先生が立っていた。

緑色のパーカーにはパンダが付いている。
…………模試に描いてあったパンダと同じだ。



「…君、知り合い?」


「…はい。」


「……そうなんだ。」


裕次さんは不満そうに口を紡ぐ。


「…………………………。」


真田先生は突然の事にポカンと
口を開けて固まっている。

……こんなこと先生に言っちゃダメだけど、
見事なアホ面だ。


「裕次さん、先行っててください。
後から追いかけるんで。」

「………はぁ……分かった。
14時までには戻って来いよ。」


「…はい。」

裕次さんはため息をついて
スタジオに入っていった。



その場には僕と先生が取り残される。


「……………先生。」


「……あ、あ!ご、ごめん引き止めて。
なんか、大事な用事だったか?」


アホ面から我に返った真田先生が
手をブンブン振り回す。


「はい。でも14時までなら大丈夫です。」


「14時………あと30分くらいか。」


「はい。」


時計を見ながら先生が呟く。



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