第5章 7月『ピアノとBBQ』
「なぁ、そうめんまだたくさん余ってんぞ?
どうすんだこれ。」
兄さんがざるを見ながら言う。
竹の出口にあるざるの中には、
取り切れなかったそうめんが
たくさん残っていた。
「…先生、そうめん食べるかな。」
僕がぼそりとと呟くと、
ソファーに座っているキヨが文句を言う。
「…………オイ、アイツをここに
呼ぶつもりかァ?」
「昼休みまでホシューホシューって
言われたくないぜ。」
みんなはバカサイユに呼ぶことは
反対のようだ。
でも…………。
「………南先生って、
あのお弁当、毎日食べてるのかな……。」
「「「…………………。」」」
僕がそう言うと、
皆、苦虫を噛み潰したような顔をする。
この前の悪夢を思い出したみたいだ。
「…………ま、まぁ、たまには
いいんじゃない?ここでお昼食べても。
…アレよりはそうめん食べた方がマシだし。」
「………仕方ない、永田!呼んでやれ。」
「かしこまりました、翼様。」
悟郎と翼が呆れた顔をする。
永田さんがバカサイユを出ていき、
南先生はバカサイユに呼ばれる事になった。